■梁

荷重大:ベイマツ  荷重小:ベイマツ・アカマツ・ベイツガ 


ベイマツ
 北米大陸でカナダのブリティッシュコロンビア州からカルフォルニア州にかけて分布しています。マツという名がついていますが、アカマツなどのマツ類とは別の類の樹種で、日本にある相当するものとしてはトガサワラがあります。したがって、正確にはアメリアトガサワラと呼ぶべきです。日本に輸入されている北米材のうちで最近では量がもっとも多くなっています。しかしベイツガとは違った用途に用いられています。輸入の歴史は古く、明治時代、すでに輸入された記録があります。当時はメリケンマツと呼ばれていたそうです。 木材 心材と辺材の色の差は明かです。心材の色は成長の仕方により違っており、黄色ないしは黄色を帯びた赤褐色であったり(年輪幅がせまく、比重が低いもの:イエローファーと呼ぶ)、赤褐色であったり(年輪は広く、比重が高いもの:レッドファーと呼ぶ)します。年輪がはっきりとしており、木材の肌目は粗くなっています。気乾比重の平均値は0.55 で、針葉樹材としては重硬です。軸方向細胞間道(樹脂道)があります。ある程度乾燥したものを使っていても、だんだんと“やに”が表面に滲み出て来ることがあるので、表面に出るような用途にはあまり歓迎されません。そのような用途に用いる場合には十分乾燥をする必要があります。 用途 建築(梁、桁など)、合板(米国での代表的な材料)、建具、家具、造船などがあります。強さがあり、しかも大径で長い材が得られるので、日本では非常に少なくなった長い材の必要は梁のような用途に好適な材料となっています。一方で、含有成分のため、ベイマツはパルプ原料としては好まれません。


アカマツ・クロマツ
 本州の北部から四国、九州を経て屋久島にまで分布します。クロマツは、一般に海辺に近い処で見られ、海岸の防風林として広く造林され、アカマツは、一般的にいえば、海辺から離れた地域に見られます。また、両者の間の雑種もあり、アイグロマツと呼ばれます。これらの木材の性質は、極端な例を除けば、ほとんど同じと考えられます。 木材 アカマツとクロマツは、マツ類のうちでも重硬で、気乾比重は、0.42〜0.52(平均値)〜0.62です。心材の色は、やや黄色を帯びた淡桃色からかなり赤褐色を帯びたものまであり、辺材は黄白色です。春から夏にかけて、つくられた細胞の形が大きく違っているため、年輪ははっきりし、木材の肌目は粗です。細胞間道(樹脂道)をもっているため、材面に“やに”がにじみ出てくることが多く、木材を使うときには注意しなければなりません。未乾燥材は、青変菌によって、青ないし黒色に変色することが多いので、伐採後早く乾燥することが必要です。水中に完全に入っている時は耐久性があり、かつては杭用材に大量に用いられたものです。一般に木材の形が良くなかったり、変色したりするので、どちらかといえば、表面に出ない構造用に用いられます。 用途 建築(主として、軸組、敷居、床板)、坑木、枕木、経木、木毛、薪、パルプ材などが知られています。かつて、パルプ用材として、エゾマツやトドマツなどが多く用いられていましたが、当時大量にあったマツ類をパルプ用材として使うために技術開発が熱心にすすめられた結果、この類の木材は本州などマツ類の多い地域で重要な原料になりました。


ベイツガ
 北米大陸のアラスカ州南部から米国の南西部までの太平洋岸地域に分布し、蓄積の多いのはワシントン、オレゴン両州です。日本に米大陸から輸入される木材のうち、ベイツガに次いで量が多いのがベイマツです。価格が低いため、日本に輸入されて、スギと競合することが多く、日本の林業に大きい影響をおよぼす樹種といえます。米国では、材質的に他の樹種に比較して劣るため、高く評価されることはないようです。日本への輸入量が多いのは、質よりも価格が安いという点が魅力的であるためでしょう。ちなみに日本に輸入する際、モミ類と一緒に、Hem―Fir(ヘム―ファー)と呼んで、取扱っています。こういう取扱いをするのも、木材個々の価値があまり評価されないからではないでしょうか。 木材 日本産のツガに比較すると、年輪幅の広いものが多いので、別の木材のように、感じられることが多いのです。ごく一般的にいうと、木材の性質は、日本産のツガと似ているといえますが、心材と辺材の色の差は少なく、白色、黄白色、淡褐色の木材です。しかし、年輪の濃色部(晩材)は、桃色や紫色を帯びるので、木材はやや紫色を帯びます。入皮のような欠点が多く見られます。気乾比重の平均値は0.48です。とくに水分があるような処では腐り易い欠点があります。 用途 建築(柱、鴨居、長押、保存処理をして土台)、箱、器具、パルプ材などに用いられます。とくに建築材としては、スギが用いられるような用途に、ほとんど代替されています。東京などの大都会では、全体をベイツガで建てた家屋が、とくに低価格のものでは、多いはずです。