■敷居

観点:磨耗しにくい
樹種:柱と同種・マカンバ・ミズメ・イタヤ 


マカンバ
 北海道から本州北中部、また南千島に分布します。カンバ類にはこの他、ミズメあるいはヨグソミネバリ:B.grossa.ダケカンバ:B ermaniiなどがあり、前者は岩手県以南の本州、四国、九州、後者は北海道、本州北、中部、四国、朝鮮、ソ連沿海州、カムチャッカなどに分布します。カンバ類は北半球に広く分布しており、それぞれの国で重要な広葉樹材の一つとされています。この他にも、山岳地帯の風景の一つとして、忘れられないシラカンバも、もちろんこの仲間です。木材として重要なものはマカンバとミズメですが、ダケカンバもそれらの代替材として用いられています。注意を要するのは、このカンバ類を、とくに用材として用いる場合、業界ではサクラ(カバザクラあるいはミズメザクラ)と呼ぶことが多いことです。もちろんカンバ類ですからサクラ類とは関係がないのですが、このような習慣はすでに明治時代からあります。 木材 年輪がはっきりせず、木材はかなり均質といえます。気乾比重は0.50〜0.67(平均値)〜0.84:ミズメなどで重硬な木材です。このように均質、重厚な性質が、耐摩耗性が必要で、平らな面がいつまでも保持出来るという用件を満たすため、カンバの類が体育館の床に幅広く用いられます。カンバ類の色を別表に書きました。ミズメ、マカンバなどの心材の保存性は中庸で、加工性は、中庸です。良い仕上げ面が得られます。シラカンバ:B.platyphylla var.japonica は淡色で、耐久性が低く、気乾比重は0.60でより軽軟です。 用途 家具あるいは建築の内装用としては高級な材料です。器具、床板、合板、靴の木型などに用いられます。シラカンバはアイスクリームの匙や割箸に用いられます。    


ミズメ
本州の岩手県以南、四国、九州に分布しています。この種はカンバのなかでは南方系で、関西より西でも目にすることがあります。この樹種の特徴となっているのは、樹皮にサロメチールによく似た芳香があることです。このことに気づくと、樹皮がサクラのそれによく似ていることとあわせて、簡単にほかから区別することが出来ます。カンバの類は、取引上よくサクラと呼ばれることがありますが、この種の丸太はミズメザクラと名付けられることが多いです。勿論サクラの類とは関係がありません。 木材 心材と辺材の色の差ははっきりとしています。前者は紅褐色で、後者は黄白色です。心材の色は、マカンバに比較すると赤みが濃いといえます。木理は通直で、肌目はやや精です。気乾比重は0.60−0.72(平均値)−0.84で、重硬な木材です。マカンバの特徴である製品になったときの安定性、さらに、材質の均一性などを、同じようにもっています。切削などの加工性はよく、仕上がりがよいことで知られています。木材の保存性は低く、辺材はヒラタキクイムシの害を受けることがあります。 用途 マカンバと同じ用途に用いられますが、木がより小さいために、生産される丸太の直径が小さいことが多いです。最も一般的な用途は家具に使われることです。とくに洋家具あるいは洋風の内装用の材料として貴重なものとなっています。


イタヤ
北海道、本州、四国、九州に分布しており、サハリン、千島、朝鮮、中国東北部と北部にも知られています。日本には20数種あります。さらに、公園や庭園で鑑賞用として植えられることがおおいので、園芸品種も数多くあります。また、おなじ目的で、外国産のカエデ類が導入されています。木材として考えると、このイタヤカエデが代表的なもので、その外はあまり目立ちません。 木材 カエデの木材は大きく、軽軟な木材と重硬な木材の二つのグループに分けることが出来ますが、イタヤカエデは後者に含まれています。辺材と心材の色の差はほとんどありません。木材の色はやや紅色を帯びた白色〜淡紅褐色です。年輪はどちらかというとやや見にくいといえます。肌目は精ですが、木理は不規則なことが多く、そのために、美しい杢(縮れ杢、波杢、鳥眼杢などがあります)をもつことが多いといえます。また、そのことが切削などの加工を難しくしています。気乾比重は0.58−0.65(平均値)−0.77でやや重硬な木材といえます。曲木のできる樹種です。加工の仕上がりのよい木材です。 用途 家具、器具、運動用具、建築、楽器などに用いられます。また、コケシの材料としてもよく知られています。